単純ヘルペスウィルス感染症

 

単純ヘルペスウィルスには1型(HSV-1)と2型(HSV-2)とがあり、1型は口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎を、2型

は性器ヘルペスを発症する。感染経路はウィルス排泄者との接触感染である。2型は性行為により感染するが、2型ウィルスを保有する親からの感染もある。多くは初感染時には不顕性であるが、新生児や乳幼児では顕性、重症化することが多い。初感染治癒後も体内(主に三叉神経節)に潜伏し、免疫不全や疲労、種々の感染症、強い直射日光、精神的ストレスなどで何度も再発することがある。

 

口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎

 

最も一般的な初感染の症状で乳幼児によく見られる。平均4日の潜伏期間の後、38~40度の発熱と共に口唇周囲や口腔粘膜、歯肉に発赤、小水疱、小潰瘍が出現して痛みのため経口摂取が困難となる。3~4日で解熱するが、かなり長期間ウィルスを排泄するので、新生児に接触感染させないため、注意すべきである。