ロタウイルスワクチンについて

■ロタウイルスとは?

■ロタウイルスは外来治療が難しいのです

■ロタウイルスワクチンの効果は絶大です

■高いワクチンですが、かかりつけのお子さんの95%は頑張って受けてくれています

 

 

経口弱毒生ヒト ロタウイルス ワクチン

 

任意接種(自費)・個別接種

 乳幼児のロタウイルス感染による胃腸炎を予防するためのワクチン(ロタテック)です。生後6週~32週までの赤ちゃんにしか投与できません。
 ロタウイルス胃腸炎は以前「白色便性下痢症」と呼ばれ、赤ちゃんの嘔吐下痢症の代表格でした。最近はノロウイルスのほうが有名になりロタウイルスという名前を聞いたことがない若いお母さんも多いようです。
 ロタウイルスに感染すると、通常は胃腸炎をおこし下痢や嘔吐を認めます。重症化すると脱水症状などで入院治療が必要になることもあります。
 更に、ロタウイルス脳炎(脳症)という病気になり、神経系の後遺症を残すことも稀にあります。
 今までは有効な予防策はありませんでしたが、ロタウイルスワクチンの接種(内服)により、感染を予防できるようになります。
 
              
 接種料金

 

10,500円/回で、3回経口接種です。

ロタテック ( MSD )
    3回接種
    接種対象者・接種期間 生後6週0日~32週0日まで
     (誕生日を生後0日と考えます)
    1回目の接種は生後14週6日までに行うことが推奨されています
    4週間以上の間隔をおいて3回接種(経口接種)
    生後32週1日以降の赤ちゃんには接種できません。
 ワクチンの説明

 

WHO(世界保健機構)は、発展途上国の乳幼児死亡を減らす目的でロタウイルスワクチンの接種を推奨しています。
先進国においては、ロタウイルス胃腸炎の重症例を減らす目的で接種されています。

 
 ワクチンが必要な理由 
(1)ロタウイルスによる胃腸炎の予防。
 ロタウイルスは乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因病原体です。本邦では6歳未満の小児のうち年間約80万人(100人あたり11人)が、ロタウイルス胃腸炎で外来受診をしていると推計されています。今のところ対症療法が唯一の治療法で抗ウイルス薬はありません。発症すると激しい嘔吐と下痢を繰り返すため、水分補給が十分にできず気づかないうちに脱水症状に陥ってしまうことがあります。2011年7月現在120カ国以上で承認・販売されています。
(2)ロタウイルスによる神経系の合併症の予防。
 ロタウイルスは神経系の合併症である脳炎・脳症を引き起こすことがあります。胃腸炎に罹っても点滴や入院加療で多くは後遺症を残さずに治癒します。しかし、脳炎・脳症に罹患すると神経系の後遺症を残すことが稀にあります。もちろん、ロタウイルスワクチンの効能には神経系合併症の予防については記載されませんが、ロタウイルスに感染しなければ神経系合併症には至らないわけですから、是非、ロタウイルスワクチンを接種することをお勧めします。
 効果

 

ロタウイルスによる胃腸炎の予防

ロタテック ( MSD )
 価数 5価 ( G1,G2,G3,G4,P[8] )
 外来受診抑制率 86%
 長期予防効果 7年
 ロタウイルス胃腸炎予防効果 74.5%
 重度ロタウイルス胃腸炎予防効果 100%
 
ロタテックは吐き戻してしまった場合でも追加接種をしないという条件下において(吐き戻した児と吐き戻していない児をすべて統合し)、良好な予防効果が得られております。
 副反応・副作用
国内臨床試験(承認時)
接種症例508例(生後6週0日~14週6日までの赤ちゃん
接種後30日間の副反応
 易刺激性37例(7.3%)・・・接種後に機嫌が悪くなること
 下痢18例(3.5%)
 咳嗽・鼻漏17例(3.3%) 
 接種不適当者

 

どのワクチンにも「接種不適当者」という項目があります。例えば「接種当日に、熱があるお子さん」、「かぜや気管支炎などの病気にかかっている時期のお子さん」などです。
さて、ロタウイルスワクチンには特有の「接種不適当者」が記載されていますのでご紹介致します。

1)腸重積になった事がある赤ちゃん
2)腸重積の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室など)があると診断されている赤ちゃん