インフルエンザウイルス感染症

 

インフルエンザウイルスとは?

鼻やのどから入って扁桃腺、気道に感染するウイルスです。A型(ソ連型と香港型)、B型の3種類があります。それぞれの型に毎年少しずつ種類の違うウイルスが出現します。主に冬に流行し、咽頭炎、気管支炎、肺炎、まれに脳炎・脳症などを起こします。

 

感染経路は? 潜伏期間は?

唾液などの飛沫、あるいは鼻水などの分泌物との接触によって感染します。 潜伏期間は2~3日間です。

 

症状は?

鼻汁、咳、のどの痛みに加え39~40℃に及ぶ高熱が続きます。悪寒や関節痛、頭痛を伴うことがあります。嘔吐や下痢を起こすこともあります。けいれんをもともと起こしやすい人では熱性けいれんが起こることもあります。一般的に39~40℃台の発熱が4~5日持続します。

熱が下がってくるころから、しつこいカラ咳が増えてきます。

 

診断は?

鼻から細い綿棒を入れて鼻汁を採取し、インフルエンザウイルスの迅速診断を行います。検査結果は約15分でわかります。陽性と出ればインフルエンザウイルス感染症との診断が確定します。しかし、病気の初期(発熱後6時間以内)には迅速診断で陰性と出てしまうことが多くありますので、1日おいて再検査することもあります。

 

合併症は?

脳症、肺炎、中耳炎、熱性けいれん、筋炎(筋肉の炎症で筋肉痛など)などがあります。

 

治療は?

有効な抗ウイルス剤として、タミフル(内服薬)やリレンザ/イナビル(吸入薬)があります。ただし、これらの薬は、高熱の期間を短くしてくれますが、飲んですぐに治るというような薬ではありません(熱が出始め3日以降に飲んでも効果は少ないです)。また、咳、鼻汁、のどの痛みなどに対しては対症療法(症状を和らげるのみの治療)が中心となります。また、解熱剤は種類によってはインフルエンザのときに使うと副作用を起こしやすくなることがあるため、必ず小児科医が処方されたものを使うようにしましょう。病気のはじめから抗生剤は必要ないのですが、咳がひどかったり、中耳炎など細菌感染の合併が疑われる場合などは抗生剤を併用することがあります。

 

インフルエンザ脳症を予防するには?

インフルエンザ脳症の発症は、インフルエンザに感染して極めて早期(80%が発病同日か翌日)であるので、インフルエンザにかかってから予防するのは極めて難しいのです。インフルエンザの診断がついて抗ウイルス剤を服用しても間に合わないのです。ですから、予防接種をして重症化しないようにすることが唯一のインフルエンザ脳症の予防なのです。

 

自宅で気を付けることは?

熱のためにぐったりしているときには熱さましを使ってもかまいません。そこそこの元気があれば、熱さましを使わずに様子を見るのもよいでしょう。脳炎・脳症では、うわごとを言うような症状で始まることもあります。たとえば「眠っていておきてきたときにぼうっとしていてうわごとを言ったが、その後には全くけろりとしている」といった場合には心配要りませんが、うわごとが続いたり、目の焦点が合わなくなったりしたときには必ず外来を受診してください。

 

もう一度病院に来たほうがよいのはどんなとき?

・呼吸が速くなり、苦しがるとき  ・咳込みが続くようになったとき

・ぐったりして、顔色が悪いとき  ・うわごとがつづくとき

・けいれんを起こしたとき     ・その他、いつもと様子が違うとき

 

集団生活はいつから?

発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで(2012.4月から変更)

注意!:発症当日(解熱当日)の翌日が発症後1日目(解熱後1日目)です。

 

    発症(解熱)当日が1日目ではありません。